給湯器のガス代について(都市ガスの場合)
普段何気なく使っているガスですが、ガスの種類には「都市ガス」と「プロパンガス」の2種類があることをご存知ですか?
首都圏や、大阪といった大都市圏にお住まいの方は「都市ガス」をお使いの方が多いかもしれません。
なんとなく「プロパンガスよりも都市ガスの方がガス代が安い」というイメージがあるかと思いますが、知られざる都市ガスの仕組みについて調べてみました。
目次
都市ガスとは?
都市ガス=ガス管経由で供給されるガス
都市ガスとは、ガス導管を通じて供給されるガスのことです。
たまに道路のガス管工事を見かけることがありますが、ガス管は地面に埋設されています。
そのため、自宅付近までガス管が通っていないと、都市ガスを使うことはできません。
都市ガスの運営母体は?
東京ガスや大阪ガスといった都市ガス事業者が運営を担っており、ガス代は電気や水道と同じく公共料金となります。
全国に約200都市ガス事業者があり、主に人口の多い首都圏・大都市をメインにサービスを提供しています。
中でも東京ガス、東邦ガス、大阪ガス、西部ガスの大手4社は四大事業者と呼ばれています。
後で触れますが、2017年から始まったガス自由化により、都市ガスを供給するガス会社は今後どんどん増えていくでしょう。
料金体系は?
ガス代は、基本料金+従量料金(㎥単位料金×ガス使用量)で計算されています。
原則、ガス使用量が多くなるにつれ従量料金は安くなる設定になっていますが、
ガス自由化により今後どのような料金体系になっていくか注目です。
給湯器のガス代について
実は、ご家庭で利用するガスの約8割は給湯器の使用が占めているとご存知でしたか?
お風呂を湧かしたり、キッチンで皿洗いをしたり、床暖房を使用したり…意外と給湯器を利用する場面は多いものです。
気になる給湯器のガス代についてまとめてみました。
地域別
ガスの基本料金と単位料金は、お住まいの地域により若干異なります。ガスを作るコストと、私たちの支払うガス代の収入額が等しくなるよう工夫されていたためです(ガス自由化に伴い、今後はもっと柔軟に料金設定が変わる可能性あり)。
東京ガスと大阪ガスを比べてみましょう。両社共に月あたりのガス使用量に合わせ基本料金は高くなることは共通です。
一般家庭(月あたりのガス使用量が20㎥~80㎥)であれば、東京ガスは1,036.8円、大阪ガスは1,337.4円~1,595.9円です。(どちらも2017年11月時点)
この基本料金に上乗せされる単位料金は、東京ガスは約123円/㎥、大阪ガスは約121円/㎥でした。
月のガス使用量を30㎥と仮定すると、月あたりのガス代は
東京ガスユーザー:1,036.8円+(123円/㎥×30㎥)=4,726.8円/月
大阪ガスユーザー:1,337.4円+(121円/㎥×30㎥)=4,967.4円/月
となります。このうち8割が給湯器のガス代になります。
皆さんのご家庭のガス代と見比べてみていかがでしょうか?
世帯の人数別
次に、世帯人数別のガス代について調べてみました。
都市ガスだけのデータがなかったので、割高のプロパンガスを含む平均額です。
2人暮らし世帯:5,006円/月
3人暮らし世帯:6,064円/月
4人暮らし世帯:6,115円/月
5人暮らし世帯:6,437円/月
6人暮らし世帯:6,490円/月
都市ガスユーザーに絞った場合の平均額は、この平均値から大体1~2割くらい少なくした数字になると思います。
平均値から大きく差があるご家庭もあるかと思いますが、これはあくまで全国平均です。
ご家族の年齢構成や生活スタイル、住んでいる地域によってガス代は大きく変わってくるので、あくまで参考程度にして下さいね。
季節別
一般的に、夏場に比べると冬場の方がガス代が高くなります。
床暖房やガスファンヒーターなどの暖房器具を使う機会が増えることと、お湯の使用量も増える傾向にあるからです。
総務省のデータによると、冬場のガス代は夏場の1.5倍~2倍程度となっています。
北海道や東北など、寒い地域のご家庭ではもっと差が開きそうですよね。
ガス自由化
従来、ガスは公共性の高いエネルギーであるため、その使用料金をガス供給会社が勝手に決めることはできませんでした。
しかし2017年よりガス自由化が始まり、原則的にガス代はそれぞれの事業者が自由に決められる仕組みに変わります。
ガス会社の乗り換えを宣伝するテレビCMも多く流れていますよね。
各社ともお得な料金プランをこぞって提案しています。
料金比較サイトなどもあるので、そういったサービスを利用してより安く都市ガスを利用する方法を考えてみてもいいかもしれません。
省エネタイプの給湯器がオススメ!
ガス代の大半を占める給湯器。
今では、従来品よりもガス使用量を約12%軽減できる「エコジョーズ」というシステムが主流になってきています。
エコジョーズ搭載の給湯器は割高ですが、長い目で見ると結果的にお得になります。
もし給湯器の新設・交換をお考えでしたら、断然エコジョーズをオススメします!
まとめ
意外と知らない都市ガスの仕組みについてまとめてみました。
ガス自由化により、今後都市ガスの価格競争は加熱することが予想されます。
私たち消費者からすれば、ガス代が安くなってお得と感じるかもしれません。
ただ料金体系が複雑化し、何を選べばいいのか分からなくなりがちなのも確かです。
比較サイトなども上手に活用し、ベストな料金プランを見つけましょう。
その上で省エネタイプの給湯器を使用すれば、ガス代を安く抑えられること請け合いです!