ガス警報器って必要?自分で設置できる?…設置基準や設置費用を解説!
警報器といえば真っ先に思い浮かぶのが火災報知器ですよね。
天井についた丸い装置で、学校に通っていた頃は年に何度か性能検査されていた光景を思い出す方も多いのではないでしょうか。
火災を検知する装置があるように、実はガス漏れを検知するための「ガス警報器」なるものが存在します。
ガス警報器って何?どこについてるの?そんなガス警報器への謎や疑問について解説します!
目次
ガス警報器ってどんなもの?
ガス警報器とは、都市ガスや液化石油ガス(LPガス)の漏れを検知するための装置です。
ガス警報器と言っても、
・ガス漏れだけを検知するもの
・ガス以外にCO(一酸化炭素)を検知するもの
・ガス以外にCOと火災を検知するもの
など、性能に差があります。
そして、ガス漏れを検知する仕組みですが、一般家庭用のガス警報器には、次の3種類の仕組みが採用されています。
・半導体式
・接触燃焼式
・熱線型半導体式(ハイブリッド式)
それぞれのガス検知の仕組みは以下の通りです。
ガス警報器の種類①:半導体式
金属酸化物を主成分とした半導体にガスが吸着すると、電気伝導度が増加し、ランプが点灯したり警報音が鳴ります。
ガス警報器の種類②:接触燃焼式
ガスが触媒に接触することで燃焼し、温度上昇した際の電気抵抗の変化を感知してランプが点灯したり警報音が鳴ります。
ガス警報器の種類③:熱線型半導体式
①半導体式と②接触燃焼式のハイブリッド方式です。消費電力が小さいのが特徴です。
ガス警報器ってどんな形をしているの?どこに設置されているの?…疑問に答えます。
ガス警報器という装置があるとはいえ、どんな見た目なのか、家のどこに設置されているのか、よく分からないことだらけですよね。
そこで、ガス警報器にまつわる疑問をまとめ、それぞれ回答させていただきます。
ガス警報器の見た目・形状
ガス警報器の形状は様々ありますが、主に「天井直付け型(丸型)」と「壁掛け型(ボックス型)」に分かれます。
天井に直付けするタイプのガス警報器です。
天井のシーリングに引っ掛け電源を確保するものと、電池で動くタイプがあります。
壁掛け型は、壁のコンセントにつないで電源を確保するか、電池により作動します。
本体ですが、壁に取り付けフックを設置し、そこに掛ける仕組みです。
ガス警報器は設置しなくてはいけないの?(設置義務があるの?)
さて、ガス警報器は設置義務があるのでしょうか?
結論としては、都市ガス(東京ガスや大阪ガスなど)を使用している一般家庭では、ガス警報器の設置義務はありません。
プロパンガスを使っている地域においては、3戸以上のマンションで設置が義務付けられています。
ちなみに、病院・デパートといった多くの人が出入りする施設では、それぞれの法律・条例に則ってガス警報器を設置しなくてはいけません。
しかし、設置義務はないとはいえ、ガス警報器を設置しておくほうがガス漏れによる重大な事故を未然に防ぐことができます。
多少コストはかかりますが、安心のために設置しておく方が多いのも事実です。
ガス警報器はどこに設置されている?
では、ガス警報器はどのような場所に設置されている(設置するべき)のでしょうか?
ガス警報器を設置する場所・位置には、次のようなルールがあります。
・ガス機器を設置している部屋と同一の部屋内であること
・漏れたガスが滞留しやすく、点検・交換がしやすい場所であること
・ガス機器の排ガスに触れやすい場所であること
・都市ガスの場合→ガス機器から水平距離で50cm以上8m以内、天井面から30cm以内
・プロパンガスの場合→ガス機器から水平距離で50cm以上4m以内、床面から警報器上端までの高さが30cm以内
万が一ガスが漏れた際にいち早く検知できる位置に置くという点と、
都市ガスは空気より軽いため部屋の上の方、プロパンガスは空気より重いため部屋の下の方に設置するという点がポイントですね。
ガス警報器の“後付け”にまつわる疑問
今現在、ガス警報器が設置されていないけれど、「ガス警報器を設置したい」という方が気になるであろう疑問点をまとめました。
ガス警報器は後付けできるのか
そもそも、ガス警報器は「後付け」できるのか?という疑問ですが、後付けは可能です。
ガス警報器は自分で設置していいのか
ガス警報器は、ご覧の通りコンパクトな機器です。
DIYが得意な方であれば「この程度の機器であれば、自分で取り付けられるかも?」と感じるでしょう。
実際、ガス警報器の設置は難しいものではなく、ネット検索すれば、自力でガス警報器を取り付ける方法などが紹介されています。
しかし、ガス警報器の設置は「作業として正確に取り付ける」という側面だけでなく「設置基準に則って正しく設置する」という面もあります。
設置基準を知らないまま、適当な位置に取り付けたところで、ガス警報器が正しく作動しなければ意味がありません。
こういった事情から、ガス警報器の取り付けは、資格を持ったガス販売事業者に依頼するのが正解です。
賃貸物件でも設置できるのか
賃貸物件であっても、ガス警報器の設置は可能です。
オーナー(大家さん)の意向でガス警報器を設置している場合は、交換費用等はオーナー持ちになるので、管理会社やオーナーに直接確認してみましょう。
入居者の意思でガス警報器を設置する場合は、費用等は入居者持ちになります。その際はオーナーに一言声がけをしておくと良いでしょう。
事前にガス警報器設置の旨を伝えれば退去時にトラブルになりませんし、オーナー側から費用負担を申し出てくれる可能性もあります。
※「入居者の判断にお任せします」と言われた場合は、費用等は住人持ちです。
ちなみに、新たに入居した賃貸物件にガス警報器が設置されていた場合、前の住人が設置したものなのか、オーナーが設置したものなのか分からない場合は、賃貸会社・オーナーに確認してみてください。
ガス警報器の設置費用はどのくらい?
ガス警報器を設置する際の費用の内訳は、警報器本体+作業費ということになりますね。
ガス警報器自体の価格はピンからキリまであります。
1,000円以下のものから10,000円近いものまでありますが、家庭用で購入しやすいものは4,000円〜8,000円の価格帯のものでしょう。
作業費は10,000円前後が妥当ですから、手頃なガス警報器を選べば、設置費用は20,000円程度に収まるはずです。
ガス警報器に有効期限はあるの?
ガス警報器には有効期限があり、おおむね5年に設定されています。
有効期限を過ぎるとガス警報器の誤作動が増えるので、警報器の「交換期限ラベル」を参考に交換しましょう。
ガス警報器が鳴ったときの対処方法
ガス警報器がなったとき、それはつまりガス漏れしている可能性があるということです。
こういう場合、ガス漏れから爆発事故につながることを防ぐため、次のように対処してください。
・スイッチやコンセントに触れない(火花がガス爆発を誘引します)
・ガスの元栓を閉める
・ドアや窓を開けて換気する
・東京ガスの通報専用ダイヤルに連絡する
0570-002299(または、03-6735-8899)※無休・24時間対応
まとめ
ガス警報器は設置義務こそないものの、安全にガスを使用し続けるために大切な設備です。
「滅多にないガス漏れのためにガス警報器を設置するのはもったいない」と思われるかもしれませんが、「ガス警報器は鳴らないまま」過ごせる方が正解なのです^^
ガス警報器に興味のある方は、ぜひ近所のガス機器取り扱い業者に連絡してみてくださいね。