【ドレン水の疑問】エコジョーズのドレン排水って何だろう?どう処理する?

省エネタイプの給湯器として人気の「エコジョーズ」。
次に給湯器を取り替えるなら、エコジョーズにしたい!と思う方も多いのではないでしょうか?

エコジョーズタイプの給湯器を使うと、お湯を作る過程で「ドレン排水(ドレン水)」という排水が出ます。
今回の記事では、このドレン排水に注目してみたいと思います。

ドレン排水って何だろう?

そもそも、ドレン排水(ドレン水)とは何でしょうか?
ドレン排水とは、一言で言うと、空気が熱を失い凝縮した際に発生する水のことです。

給湯器の中では、引き込んだ水をガスで加熱し、室内へとお湯を供給しています。
お湯を作る過程で出る排熱は200度の高温に達しますが、この排熱を利用することで効率よくお湯を沸かす仕組みがエコジョーズです。

エコジョーズ式の給湯器では、200度という高温の排熱を50度程度まで下げる際に水蒸気が発生し、結露になります。
この結露がドレン水となり、外に排出される仕組みです。
ちなみに、こういったドレン水は給湯器に限らず、エアコンやクーラーといった機器からも発生します。

ドレン排水は垂れ流してもいいの?

給湯器内で発生するドレン水は酸性ですが、内部の中和器により中和された状態で給湯器の外に排出されます。
ドレン水は下水道法上「汚水」に分類されるため、適切な処理が必要です。
詳しくは後述しますが、汚水枡(ます)などの汚水系統にドレン水を流す仕組みを作るのです。

このように、決まりの上では汚水系統に流すことを推奨していますが、実際には雑排水系統(雨水枡など)に流して良いとする自治体もあります。

なぜなら、

・給湯器からのドレン排水は微量であること
・給湯器内で中和されていること

という2点を踏まえ、ドレン排水の処理については自治体に判断を委ねられているからです。

しかし、ドレン排水の処理について明確な基準や決まりを設けている自治体は多くありません。
今後、省エネタイプの給湯器がさらに普及するにつれ、ドレン排水の明確な処理基準が求められてくるでしょう。

給湯器のドレン排水・代表的な3つの処理方法

ドレン排水の処理方法はいくつか種類がありますが、代表的な方法が以下の3つです。

①汚水(または雑排水)系統に流す

戸建てにせよ集合住宅にせよ、広く採用されている方法です。
汚水枡や雨水枡などにドレン配管を伸ばし、ドレン排水を流します。
また、ドレン配管を渡せないような状況では、浸透枡を作り、ドレン排水を流すことも可能です。

エコジョーズのドレン排水浸透枡

②浴室の排水系統に流す

集合住宅のPS(パイプシャフト・パイプスペースなど)に納められている給湯器で、ドレン排水を外に流すことができない場合、室内(浴室)の排水系統を使って処理する方法もあります。
ドレン水が発生すると、それをドレンタンクと呼ばれる箱に一時的に溜めます。
タンクがいっぱいになったら、追い焚き配管を利用して浴室内にドレン水を運び、浴室の排水系統に流す、という仕組みです。

基本的には自動お湯張り時に勝手にやってくれる動作なので手間はありませんが、ドレンタンクの設置などのためにコストがかかります。また、浴室や給湯器の状況によっては設置ができない場合もあるのがデメリットといえるでしょう。

③三本管方式で流す

②と同じく、集合住宅のPS(パイプシャフト・パイプスペースなど)に納められている給湯器で、ドレン排水を外に流すことができない場合に採用される方法です。
②の方法では追い焚き配管を利用してドレン水を流しますが、ドレン水専用の配管を浴室内に引き込み、浴室の排水系統に排出するのが「三本管方式」と呼ばれる方法です。

追い焚き管2本に、ドレン配管が1本加わるので「三本管方式」ですね。

この方法は現場の状況により採用できないことも多いです。

ドレン排水の処理が適切でない場合のケース

ドレン排水の処理は法律・自治体の基準のほかに、現場の給湯器交換業者の判断によって、やり方がまちまちになります。
なかには、大したドレン配管の設置もせず、工事を終わらせてしまう業者も…。
また、ドレン配管を設置していたとしても、正しい方法で設置されていなければ、思わぬトラブルにつながるのです。

「ドレン排水の処理くらいで、問題は起こらないでしょ…」
と思われるかもしれませんが、ドレン配管設置の誤りが、給湯器に悪影響を及ぼすことがあります。

実際にあったのは次のような例です。

「浄化槽下流側にドレン排水を水封トラップなしで接続していた。浄化槽の殺菌に使われていた消毒剤から発生した塩素が、ドレン排水用の配管をつたって、配管カバー内に滞留。塩素が空気と反応して塩酸になり、給湯器本体を腐食させた」

不適切に処理されていたドレン排水と様々な要因が重なりあい、給湯器本体を腐食させたケースです。

まとめ

エコジョーズを使うとき、同時に発生してしまう「ドレン水」。
適切な処理をしないと、せっかく取り付けた高機能な給湯器に悪影響を及ぼしかねません。
エコジョーズの給湯器を設置・交換する際には、給湯器本体やリモコンだけでなく、ドレン排水の処置に問題がないかという点にも注目してみてくださいね。

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