ガス・一酸化炭素など…警報器の種類〜ガス機器を安全に使うために〜

給湯器、ガスコンロ、暖房など、私たちは日常的にたくさんのガス機器を使用しています。
安全性の高い日本のガス機器ですが、まれに起こるガス漏れ火災や一酸化炭素中毒には注意が必要です。

安全にガス機器を使うため、ガスや一酸化炭素が漏れ出ているのをいち早く検知して知らせてくれるのが「警報器」です。
今回のブログでは、様々な警報器の種類と、その役割について解説したいと思います。

警報器にはどんな種類がある?

ガス機器に関連する警報器の種類は、主に次の5つです。

①ガス警報器
②CO警報器
③ガス・CO警報器
④住宅用火災・ガス・CO警報器
⑤業務用換気警報器

それぞれの警報器について、詳しくみていきましょう。

①ガス警報器

ガス警報器は、その名の通り「ガス漏れを検知して警報する機器」です。
設置基準に基づき、天井や壁に取り付けます。

都市ガスやLPガスの漏れを検知し、警報音やランプで知らせてくれます。
ガスを検知する仕組みは、半導体を使ってガス検知したり、ガスが触れた触媒の温度上昇により検知するなどです。

機器自体は安価に手に入りますが、ガス警報器の設置基準は意外に複雑。
正しく設置したい場合は、ガス機器設置業者に相談した方が賢明です。

ガス警報器については、次の記事にも詳しくまとめてあります。
興味のある方はぜひお読みください。

②CO警報器

CO警報器は「不完全燃焼により発生するCO(一酸化炭素)を検知して警報する機器」です。
ガス機器が不完全燃焼等を起こすと一酸化炭素が発生します。
ガス漏れも危険ですが、一酸化炭素は臭い等がなく、気づかないまま一酸化炭素中毒になる恐れがあるため、やはり警戒しなくてはなりません。

CO警報器を取り付ける場合は、
①ガス機器を設置している部屋と同室内
②燃焼排ガスが滞留しやすい場所
③容易に点検できる場所

以上の3点を満たす場所に設置してください。

また、使っているガスが都市ガスかLPガスかによって、設置場所はさらに細かく指定されます。

都市ガスを使用している場合…
ガス機器のバーナーの中心(2カ所以上ある場合は、警報器から最も離れたバーナーの中心)から水平距離が50cm以上8m以内 かつ 天井から30cm以内の場所

LPガスを使用している場合…
ガス機器のバーナーの中心(2カ所以上ある場合は、警報器から最も離れたバーナーの中心)から水平距離が50cm以上4m以内 かつ 天井から30cm以内の場所

水平距離に若干の違いがありますから、注意しましょう。

③ガス・CO警報器

①ガス警報器と②CO警報器の機能を併せ持ったのが③ガス・CO警報器です。
1つでガスと一酸化炭素を検知する一石二鳥タイプですが、設置の注意点としてはガスと一酸化炭素の両方を確実に検知できる場所に設置することです。

ここでもやはり使用しているガスの種類によって取り付け位置が異なってきます。

空気に対する比重が1より小さい(空気より軽い)都市ガスを使用している場合…
ガス検知部も不完全燃焼検知部も、設置場所は同じです。

空気に対する比重が1より大きい(空気より重い)都市ガスやLPガスを使用している場合…
ガス検知部と不完全燃焼検知部とで、設置場所が異なります。

④住宅用火災・ガス・CO警報器

住宅用火災・ガス・CO警報器は、火災(煙等)・ガス・COを感知して警告する、一般家庭用及び小規模業務用を対象にした警報器です。
このタイプの警報器は、取り付けの際にガス・CO警報器の設置基準を満たすとともに、火災報知器の設置基準に従わなくてはなりません。
基本的には台所に設置することになりますが、火災を感知するセンサーが熱式か煙式かによって取り付け位置が変わってきますので、タイプに合わせた設置基準を守るようにしましょう。

⑤業務用換気警報器

業務用換気警報器は、ガス機器の不完全燃焼等により一酸化炭素が発生し、その濃度が高まった場合、換気をするよう警告してくれる装置です。
室内のCO濃度のみならず、人体中の一酸化炭素ヘモグロビン濃度を推定演算し、適切なタイミングで警報するという機器ですが、「業務用換気警報器」という名の通り、一般家庭向けのものではありません。
検定機関の指導を受け、24時間管理体制が整っている事業者向けに販売されているもので、厨房などに設置されます。

まとめ

このように、警報器には様々な種類があります。
感知する対象が違うもの・複数の対象を感知できるもの・設置場所が限られているものなど、用途や場所に合わせて適切な警報器を選ばなくてはいけません。

一般家庭であれば、警報器は必ずしも取り付けなければならないものではありませんが、設置することでより安心して暮らすことができます。
どんな警報器が必要か、また、適切な設置場所の選定など、知識がないと正しい判断は難しいです。
この機会に警報器設置を検討してみようという方は、ぜひ近くのガス機器取扱店に問い合わせてみましょう。

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