ガス給湯器の【Q機能】って何?〜お湯の不快な温度変化を食い止める!〜
皆さん、突然ですが「Q機能」って聞いたことはありますか?
名前が短すぎて、どんな機能なのか想像できないですよね(笑)
実はこの機能、快適にお湯を使うためのとっても大切なものなんです。
今回はガス給湯器の「Q機能」についてご紹介します。
目次
Q機能とは?
早速ですが、ガス給湯器のQ機能について説明します。
Q機能とは、給湯器がお湯を出したり・止めたりした際に起こる水温の変化「冷水サンドイッチ現象」を防ぐための仕組みです。
よく、いったんお湯の使用をやめたあと、再度お湯を出そうとするときに「高温のお湯→冷たい水→ちょうどよい温度のお湯」という風に、お湯の温度変化が生じることがありませんか?
いきなり熱いお湯が出たり、逆に冷たい水が出たりと、シャワーを使うときにヒヤッとした経験がある方もいらっしゃると思います。
そうした不快な現象を最小限に留めるために開発されたのがQ機能と呼ばれる仕組みなのです。
水の無駄遣いを避けるため、頻繁に出湯・止水を繰り返すという方にとっては、願ってもない機能ですよね。
各社のQ機能まとめ
それでは、ガス給湯器の各メーカーはどのようなQ機能を開発しているか、見てみましょう。
ノーリツ
ノーリツ製の給湯器のQ機能は、性能別に3種類に分類されています。
①Q機能PRO-TECメカ
最も進んだ制御方式で、ほぼ全温度域で冷水サンドイッチ現象を防止します。
②Q機能Q-TEC制御
シャワーでよく使われる、40度付近の温度域で起こる冷水サンドイッチ現象に効果的に働きます。
③新FF+FB制御
3種類の中では最も温度制御機能は低いですが、従来型に比べると性能が向上しています。
①のQ機能PRO-TECメカが最も高性能で、温度差を最小限に抑えてくれるようです。
リンナイ
リンナイのQ機能は、従来型のQ機能と、その進化型の2種類に分けられます。
①Q機能(従来型)
Q機能が搭載されていない給湯器に比べ、約半分程度の温度差に抑えることができます。
②バイパスサーボ
従来型のQ機能の進化させたもので、さらに湯温を安定させることができます。
バイパス内を流れる水量をモータで調節することで、出湯性能を向上させ、設定した温度までの到達時間を短縮させたり、不快な湯温の変化を最小限に抑える湯温制御方式です。
パーパス
パーパスからもQ機能が搭載されたガス給湯器が発売されています。
①Hi-Q
最も高性能なQ機能で、全温度域で冷水サンドイッチ現象を軽減します。
②新Q
①と同じく全温度域での冷水サンドイッチ現象に対応していますが、水温制御の仕組みに若干の違いがあります。
③EQ
40度付近での冷水サンドイッチ現象に効果的に働きます。
代表的なガス給湯器メーカーのQ機能についてまとめました。
各社とも、技術革新が進んでおり、対応する水温域が拡がっていたり、より温度差が小さくなっているのが分かります。
余談:Q21とは違う!紛らわしいけれど別の概念です
Q機能の「Q」という文字が共通しているので紛らわしいのですが、給湯器には「Q21」という概念が存在します。
これは「21世紀基準の新給湯器=Quality21」のことで、Q機能を指しているわけではありません。
※Q21の中に、Q機能が含まれています。
今までの給湯器より一層快適に、使い勝手よく、環境に配慮している機能の愛称がQ21で、ガス会社3社と給湯器メーカーが集まって作った基準がQ21です。
Q21には「Q機能」に加え「低NOx化」「自己診断機能」「低圧損」の3項目が含まれることから、Q21が大きな枠組み、Q機能はその構成要素という関係になりますね。
まとめ
シャワーを浴びていて、急に水温が変化する不便さは誰もが味わったことがあるはずです。
急に高温のお湯が出てくると、最悪の場合、ヤケドする可能性もあり得ます。
Q機能によって、そんな不快さから解放されるのは嬉しいですよね。
日進月歩の給湯器業界で、今後さらに高性能なQ機能が開発されることを期待しましょう!