【前編】職人が給湯器交換の手順を写真付きで説明!
普段、給湯器やガスについての情報を発信していますが、
「給湯器の交換手順を写真付きで紹介する」
記事を書きたいと前々から思っていました。
先日、ついに密着撮影(!?)が実現しましたので、
普段の給湯器交換の様子をまとめることができました。
交換業者がどのように給湯器を交換しているのか、
細かい作業まで写真付きでお伝えしたいと思います!
目次
開梱作業
まずは給湯器の梱包をあらかた取ります。
取付けに使用するビスや、
取扱説明書など、細々したものも入っているので、
それらが風に飛ばされたりしないよう注意が必要です。
各配管のコックを閉める
古い給湯器の配管のコックを閉めていきます。
順番は、
ガス→電源(リモコン)→水道の順番です。
コックを閉めれば、ガスや水の供給が止まり、
安全に作業を進められます。
配管類を外す
コックを閉めたあとは、各配管や配線を外していきます。
今巻かれている保温材はボロボロになっているので廃棄し、
最後の工程で新しい保温材を巻きます。
配管を外す順番は、
追い焚き管(お湯・水)2本→ガス→給湯(水・お湯)→リモコン(電源)です。
<マニアック豆知識>
●配管内の残水について
配管内に残った水が多いとじゃぶじゃぶと水が出てくることもあります!
また、室内の浴槽が給湯器より高い位置(2階など)にあり、
浴槽内に水が残っていると、その水がなくなるまで
滝のように水が流れることになります。
浴槽は空の状態にしておいた方が安全です。
●ガス管は固い!
ガス管はかなり固めに閉められています。
管を外すと、内部に残っていた少量のガスが漏れ、
ほんのりガス臭がします。
古い給湯器を外す
無事に配管が外せたので、給湯器本体を外します。
壁掛けタイプの給湯器であれば、
まず給湯器の下のビスを外したあと、
給湯器上部のビスを外します。
ビスには家の壁の塗装が塗られていることもあり、
ネジ頭に塗料が詰まって固まっている場合があります。
このままではドライバーがうまく入らず
ビスを外せないことが多いです。
面倒ですが、先端の尖った工具などでネジ頭をほじくり、
ドライバーを差し込めるようにしています。
また、今回のケースは、作業する場所の幅はちょうどいいのですが、
壁の高い位置に給湯器が設置されていますよね。
高所作業は脚立に乗っての作業になるので、
慎重に作業しなくてはいけません。
<マニアック豆知識>
●高所作業で注意していることは?
給湯器を落とさないこと
そして
自分が落ちないこと
この2点に尽きます!!
古い給湯器内に水が残っていると更に重たいです。
また、エコジョーズなど高機能な給湯器は
内部の機器も多いので重たくなります。
周囲に気を配りながら、
なるべくスピーディーに運び出しです!
新しい給湯器を設置する
古い給湯器を運び出し、
新しい給湯器を運び入れます。
給湯器は10年くらい経つと表面の塗装が
劣化しているので、運び出すとき必ず作業着に
白い粉がついてしまいます…。
新しい給湯器を運ぶ前に、古い給湯器と重ねて
大きさが大体一緒か確認します。
同じタイプの後継機などであれば
ほとんど大きさは変わりません。
しかし、給湯器の号数が変わっていたり、
メーカーが変わったりすると、新旧の大きさに差が出ることも…。
配管の納まりをみて、
給湯器を設置する位置を変えることもありますし、
配管を加工したり伸長したりして調整もします。
新しい給湯器を設置するときは、
壁にぶら下げる(上部・中央のビスに引っ掛ける)
→配管の位置を確認する
→問題なければ上部の残り2ヶ所のビスを留める
という順番で進めます。
このとき、もし穴の位置が変わるようならば
古い穴をシリコンで穴埋めしています。
今回は同じメーカーの給湯器へ交換だったので、
あまり配管の位置について懸念事項はありませんでした。
配管をつなぐ
配管の状況を確認します。
白いカバーが保温材なのですが、
長年紫外線にさらされていた影響で
パウダー状に劣化しています。
この現場では雨はあまりあたらない位置でしたが、
もっと劣化がひどい現場もあります。
古い保温材も交換してしまいたいので、
すべて外しておきます。
また、配管についているゴムパッキンも劣化していました。
紙に押さえつけると真っ黒な墨のように跡がつきます。
こういった小さなところも、新しい部材に取り替えるのが大事です。
<マニアック豆知識>
配管の納まりを考えるとき、基準になるのはガス管です。
なぜならガス以外の配管(水やお湯)は加工しやすいからです。
一番加工の大変なガス管はそのまま活かし、
ガス管にあわせて納まりの悪い配管を加工するのが
最も効率的と考えています。
ほぼ毎回、配管は加工していますが、
今回は水の配管を加工することにします。
配管の材質はステンレス。
号数は13号か20号が一般的で、作業車に常備しています。
<マニアック豆知識>
ステンレスフレキの特徴をご紹介します。
メリットは加工のしやすさです。
現場の状況に合わせて曲げて使っています。
デメリットとしては寒さに弱く、
内部の水が凍結しやすい点が挙げられるでしょう。
設置場所に合わせて大体の長さに切ったステンレス管を
加工します。
加工は結構コツのいる作業です。
どちらが下手な加工で、
どちらが上手な加工か分かりますか?
<マニアック豆知識>
配管をつないだあと、すぐに通水させておきます。
早めに通水することで、漏れの有無を確認できます。
最後にリモコンケーブルをつなぎます。
長さが足りなかったので、
こちらも新しい線を足して長く加工しました。
ガス漏れをチェックする
ガス検知器を使い、
ガス漏れしていないか確認するのも大切な作業です。
都市ガスには12Aと13Aという2種類が存在し、
全国的に13Aがメインに使用されています。
(ちなみに12と13とは、発熱量の違いを表しています)
給湯器やその周りに細かく検知器をあてて、
ガス漏れしていないか十分にチェックしていきます。
長くなってきたので、後編に続きます!