【世界の今】ガス料金が高い〜!LNG不足で家計はさらにピンチ?話題のLNG危機とは
ロシアのウクライナ侵攻により、世界的にガスの供給量が減っていて、まさにガス争奪戦状態となっています。
過去のブログで、ガスの使用量を抑えるために「節ガス」を呼びかけているという記事も書きましたが、
高くなる一方のガス代を見ると、自然とガスの使用を控えたくなりますよね(^^;)
そんな状況に追い討ちをかけるように、日本がガスの原料を確保するのに苦戦しているんです。
・上昇し続けるガス代
・ガスの原料確保に奮闘する日本
・新しい取り組みと課題
以上3点について、分かりやすく解説していきます。
目次
上昇し続けるガス代
まず、私たちが使うガスの使用料金がどんどん高くなっている現状についておさらいしましょう。
ガスの原料となるLNGという素材は、日本でほとんど産出しません。
そのため、使用するLNGのほとんどを輸入に頼っており、アジアに輸出されるLNGの2割を日本が輸入しています。
LNG輸入大国の日本にとって、LNGの安定供給は生命線といえますが、
多くのLNGを輸出するロシアがウクライナに侵攻したことにより、スムーズにLNGを購入することができなくなったのです。
ウクライナ侵攻をしたロシアに対し、日本は制裁を与える側に回りました。
その結果、ロシアとの関係性が冷え込み、交渉が難しくなったこと。
また、ロシアからLNGを購入していた他の国が、ロシア以外の国からLNGを購入するようになったため、
必要なLNGの量を確保するのが大変になりました。
結果的に、原料コストが上昇して、私たちのガス代にしわ寄せが来る、という仕組みです。
他の国も似たような状況ですから、世界的なLNG争奪戦が加熱しているのも納得できます。
ガスの原料確保に奮闘する日本
ロシアからのLNG輸入が期待できない以上、日本も他の国からLNGを調達しなくてはいけません。
そこで、経済産業省や民間企業など、官民一緒になってガスの安定供給に奮闘しているのですが、
経済産業省がアピールしているのがカタールです。
カタールについては、普段あまり馴染みのない国だと思いますが、世界トップクラスのLNG産出国として有名。
日本はかつて、カタールとの間に「25年間の長期でLNGを購入する」という契約を交わしていました。
ところが、日本はこの長期契約を更新せず、打ち切りにしてしまったのです。
それには理由があります。
LNGは、燃やす際に温室効果のある炭素を排出します。
世界全体で脱炭素の動きが加速する中、長期的に見てLNGの需要は減るだろうと予測したのです。
つまり、LNGに代わるエネルギー源が普及して、たくさんのLNGは必要なくなるという理屈ですね。
ところが、カタールとの契約を打ち切った矢先に、ロシアのウクライナ侵攻でLNGの輸入量が減ってしまいました。
急遽、別の国からLNGを輸入しなくてはいけなくなった日本は、カタールでLNGの輸入交渉に乗り出しました。
経済産業省が交渉の場に向かったようですが、イタリアやドイツ、韓国や中国もカタールからLNG
を購入するため動いています。
もともとカタールとの契約を更新しなかった日本への印象は良いとは言えず、
「対話の用意はある」との回答は得つつも、納得していない様子だそうです。
日本としては、経済協力などを切り札に、カタールとの交渉を進めていくことになるでしょう。
新しい取り組みと課題
そんな中、輸入に頼らないエネルギー源の確保に動いている企業もあります。
日本最大の石油・天然ガス開発企業「INPEX」が、オーストラリアで新しいガス田の開発に乗り出しているのです。
このガス田開発計画がうまくいけば、ガスの原料を安定的に獲得する事ができます。
しかし、この計画には大きな課題も…。
ガス田の開発には、長い時間と膨大な費用が必要です。
ずばり、10〜20年かけ、数兆円規模の投資をすることになります。
しかもその間にLNG離れが加速すれば、ガス田開発がうまくいったところで、ガスの売り先がなくなってしまうのです。
大きなリスクを伴うガス田開発ですが、ここに独自の技術を導入することで差別化を目指しています。
独自の技術とは、「生産時に排出される二酸化炭素を地中に埋める技術」だそうです。
いまや、エネルギーと環境問題は切っても切れない関係です。
温室効果ガスへの対応をとりながら、ガス田の開発を進めることで、脱炭素とLNG安定供給の両立を目指しています。
INPEXの社長も、
「気候変動に対応していくのは不可欠。その一方でエネルギーのセキュリティーという問題が着目されてきたので、2つを調和させるのが課題」
と話しています。
地球環境に配慮しつつ、営利企業としてどれだけのリスクを負っていけるのか、微妙な調整を迫られているのでしょう。
まとめ
今、エネルギー問題を巡って様々な課題が浮上しています。
それらは、ガス料金値上げという分かりやすい形で、私たちの生活に影響しています。
家庭レベルで取り組めることは、正直あまりないのですが、
・ガスの節約に協力する
・ガス関連のニュースに関心を持ち、最新情報を取り入れる
この2つに気をつけてみませんか(^^)?
最後までお読みいただき、ありがとうございました!