屋外でも要注意!ガス給湯器・ガス機器の離隔距離や障害物に気をつけよう。

多くのご家庭で使われている「屋外式ガス機器」。
今回の記事では、家の外にあるタイプのガス機器の設置環境について解説します。

ガス機器の設置には細かなルールが決められており、
これらのルールは安心・安全にガス機器を使うためにも
必ず守らなくてはならないものです。

設置時には理想的な環境でも、使用するうちに周辺に障害物が増えて
危険な状況になっているガス機器もあるので、気をつけましょう!

給湯器・ガス機器にまつわる5つの離隔距離

さて、給湯器をはじめとするガス機器には、
5つの離隔距離があることをご存知ですか?

5つの離隔距離は、内容により大きく2つに分類されます。

防火上の離隔距離
① ガス機器本体と可燃物との離隔距離
② 排気筒などと可燃物との離隔距離
③ 排気吹出し口と障害物との離隔距離
排気上の離隔距離
① 排気吹出し口と建物開口部との離隔距離
② 排気吹出し口と障害物との離隔距離

防火上・排気上の離隔距離

防火上・排気上の離隔距離を、図に表すと以下のようになります。

細かな規定までは書ききれないのですが、
少なくとも可燃物から15cm以上の離隔距離が必要と定められています。

※コンクリート壁のように、中まで全て不燃材料の場合は、
離隔距離は「0以上」となります。

それぞれの機器の離隔距離については、
防火性能評定品であれば、機器本体に貼り付けられたラベル
離隔距離が表示されています。
気になる場合は一度見てみてくださいね。

また、排気温度が低いエコジョーズなどの省エネ製品であっても、
離隔距離の基準は同じです。

排気温度が低いから離隔距離が短くて良いということではないので注意です。

見落としがちな離隔距離の注意点

離隔距離が十分に取られていないことがあります。
以下のようなケースは見落としがちなポイントなので、
今一度確認してみましょう。

・ガス機器の脇に樹脂製の雨どいがある
・ガス機器の脇に樹脂製のエアコン用配管・配線カバーがある
・ガス機器の脇に樹脂製の屋外コンセントがある
・排気口に排気カバーをつけていて、排気方向に可燃物がある

他にも、ガス機器の排気口の近くに
金網フェンスがある場合も注意が必要です。

エコジョーズの排気が障害物にあたると結露が発生する恐れがありますが、
金網フェンスの結露はサビにつながるためです。

LPガス(プロパンガス)の離隔距離

ガスボンベを使用するLPガス(プロパンガス)の場合も、
独自の離隔距離規定があります。

具体的には、

・ガスの容器の設置場所から火気までの距離が2mを超えていること
・距離が確保できない場合は、
 火気と容器の間に隔壁などを置いて火気を遮る措置をとること

と決められています。

隔壁はコンクリートなどの、しっかりと火気を遮断できるものに限ります。
金網のフェンスなどは隔壁になりませんので注意しましょう。

ガス機器設置後の環境の変化も注意しよう

基本的な離隔距離の考え方については上述した通りです。

ガス機器を設置して数年経つと、
生活状況に合わせて段々とガス機器周りの環境が変わることがあります。

波板・トタンなどでガス機器を覆う倉庫を作る

例えば、雨・風・雪などでガス機器周辺の環境が悪いだとか、
ガス機器周りに自転車・バイクなどを置いており、
天候の影響が気になるといった理由で、
ガス機器を覆うような簡易的な倉庫を作る方がいます。

ガス機器や自転車・バイクといった家財が雨などで濡れないという点や、
防犯につながるという考え方もありますが、
波板・トタンといった囲いをしてしまうと、
給湯器の排気が倉庫内に滞留して危険です。

排気が逃げるのを妨げるような囲いの設置は避けた方が無難です。

マンションの廊下・ベランダにスクリーンや目隠しを作る

マンションの共有廊下やベランダに、
防風スクリーンや目隠しを設置する方もいます。

外からの目を気にしなくて良かったり、
防風のためには有効なスクリーンですが、
これもガス機器の排気という点ではあまりおすすめできません。

もしスクリーンや目隠しを設置したいという場合は、
ガス機器の排気口から十分な距離が確保されているということや、
密閉性の低いネット状のスクリーンにするのがポイントです。

植栽が排気口を塞いでいる

ガス機器を設置した時は背丈が低かった木が、
数年後大きくなり、ガス機器の排気口の目の前まで葉を茂らせている…というケースがあります。

排気が当たり木が枯れることもありますし、
発火などのリスクもありますので、植栽の管理が必要です。

また、排気カバーを取り付けるなどして
排気の向きを変えることでも対応できます。

まとめ

ガス機器は使用期間が長く、
使用するにつれて周辺の環境が変化していくのが自然です。

ガス機器の設置・交換業者には、
お客様が安全にガス機器を使い続けられるよう
しっかりとした取扱上の説明をする責任があります。

また、ガス機器を使用する方も、
ガス機器引き渡し時の状態をキープするよう、
普段からガス機器周りの整理整頓に努める必要があると言えますね。

防火上の離隔距離を念頭に置いて、
快適なガス機器ライフを送ってください。

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