給湯器の法定点検って何?故障を防ぐセルフチェックの方法は?〜給湯器の保守点検について〜

給湯器は一般的に8〜10年が寿命と言われています。
そして、なるべく長く、快適に給湯器を使い続けるには、
日々のメンテナンスと、定期的な法定点検の合わせ技が効果的です。

法定点検と聞くと、何やらややこしいイメージがありますが、
今回は法定点検と日々の給湯器メンテナンスについてまとめてみたいと思います。

給湯器の法定点検とは?

給湯器をはじめとするガス機器や石油機器には、
安全上問題なく使用できる期間=「設計標準使用期間」が定められています。

この「設計標準使用期間」を過ぎた機器は、
経年劣化が原因の事故が発生する可能性があるため、
法に基づいた「法定点検」や、
メーカーが推奨する「あんしん点検」を受けることが推奨されているのです。

法定点検の対象になっているガス機器

消費生活用製品製品安全法という法律に基づき、
法定点検の対象になっている機器は以下の通りです。

法定点検の対象ガス機器
・解放燃焼式 ガス瞬間湯沸器
・反密閉燃焼式(FE)ガス瞬間湯沸器
・密閉燃焼式(FF)ガス瞬間湯沸器
・反密閉燃焼式(CF)ガスバーナー付ふろがま
・密閉燃焼式(BF)ガスバーナー付ふろがま

見慣れない言葉が並んでいますが、
これら法定点検の対象になっているガス機器の特徴は
屋内に給湯器が設置されるタイプのものということです。

室内の台所や洗濯機脇に給湯器が置かれていたり、
「バラ釜」と呼ばれるような浴槽の隣に給湯器が置かれているタイプですね。

法定点検の具体的なステップ

では、法定点検を受けるためには、どのようなステップを踏めばいいのでしょうか。

①設置工事時の説明


ガス機器の販売事業者には、機器を販売・設置した際に
法定点検についてお客様に説明する義務があります。
この時、ガス機器の所有者登録について説明があるので、
製品に同梱されている所有者票を確認してください。

②所有者登録


所有者票に必要事項を記入し、記入し、メーカーへ郵送します。
メーカーは、所有者票をもとに、お客様の所有者登録を行います。

③法定点検の案内

点検期間が近づくと、お客様の手元に点検通知が届きますので、
案内に沿って点検の申し込みを行いましょう。
ちなみに、所有者登録をしていない方でも法定点検を受けることができますので、
各メーカーに問い合わせてください。

④法定点検実施


点検員資格制度に基づく資格を有した専門の点検員が、
お客様がお使いのガス機器を点検します。
ちなみに、法定点検は有料です。

法定点検の費用はいくら?

「え!法定点検って有料なの!?」と驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。
法定点検の料金については、各メーカーが定めるところによりますので、
HPや電話で確認してみるといいでしょう。

だいたい1万円前後と考えておくといいと思いますが、
メーカーが点検促進のキャンペーンを打っていて、
割引されていることもあるようです。

費用は自己負担、と言うことを覚えておいてくださいね。

あんしん点検とは?

法定点検に対し、あんしん点検とはどういったものなのでしょうか。
一言で言うと、あんしん点検=「メーカーによる自主点検」です。

法定点検のように、法律で定められているわけではないが、
長期間使用を続けるガス機器の安全性をチェックするための点検です。

自主点検とはいえ、法定点検の基準に準じて点検するので、
安全性を確認するには十分な方法と言えます。

あんしん点検の対象になっているガス機器

一方、法令で定められているわけではありませんが、
定期的なプロのチェックが推奨されているガス機器には
以下のようなものがあります。

あんしん点検の対象ガス機器
・ガス給湯器(RF)(屋外式・壁掛設置)
・ガス給湯器(RF)(屋外式・据置設置)
・ガス給湯器(RF)パイプシャフト設置

これらは、家の屋外、犬走りや壁に設置されているタイプの給湯器です。

あんしん点検の具体的なステップ

あんしん点検を希望する場合は、
各メーカーにお客様から点検依頼をする必要があります。

お客様が購入時期から計算して自主的に点検時期を確認するほか、
今は「点検時期お知らせ機能」がついた給湯器も多いです。
リモコンやランプで点検時期がきたことをお知らせしてくれるので、
うっかり忘れてしまう危険性が低くなります。

点検は有料で行われることがほとんどです。
また、修理や機器の交換が必要と判断された場合の修理費用や交換費用は、
別途自己負担になることを頭に入れておきましょう。

給湯器を安全に正しく使う!セルフチェック・メンテナンスについて

法定点検やあんしん点検が、給湯器を安全に使う上で大切なことは
分かっていただけると思いますが、
そもそもこれらの点検は給湯器の設置から8〜10年後の話です。

毎日使う給湯器ですから、日々のちょっとした不調に気づくことができれば、
大きな修理になる前に簡単なメンテナンスで寿命を延ばすことが期待できます。

そのために必要なのは、給湯器のセルフチェックです。
頻繁に行う必要はありません。
例えば年末の大掃除の際に、給湯器の具合をチェックするなど、
目安を設けて定期的に給湯器のセルフチェックを行いましょう。

給湯器に不具合はない?ちょっとしたトラブルを見逃さない

給湯器の故障には、前兆があります。
以下のような不調は見られませんか?

給湯器のセルフチェック項目
・水量が安定しない
・水圧が弱い
・なかなか点火しない
・リモコンにエラーコードが出ている
・給湯器から異音がする、音がうるさい
・給湯器から水漏れしている
・給湯器から色のついた煙が出ている

これらの項目は、給湯器の故障につながる可能性がある症状です。
特に、水漏れや黒い煙は危険なので、すぐに対策が必要です。
もし不安に思うことがあれば、プロの業者に頼んでチェックしてもらいましょう。

法定点検を待たずとも、少しだけ給湯器に気を向けるだけで、
思わぬ事故や故障を防ぐことが期待できます。

まとめ

給湯器の法定点検・あんしん点検について初めて知ったという方もいらっしゃると思います。
給湯器を安心・安全に使い続けるために、給湯器の交換のタイミングで
しっかり利用者登録を済ませておきたいものですね。

合わせてセルフチェックや簡単なメンテナンスを行うことで、
より快適に給湯器を使うことができるはずです。

まずは今お使いの給湯器が何年くらい使用しているものなのか
確認してみるところから始めましょう!

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