【都市ガスの方は要注意】ガス料金がまた値上がりする?ロシアのウクライナ侵攻との関係

4月になり新年度がスタート。
この春から環境が変わって、心機一転頑張ろうという気持ちの方も多い季節ですよね^^

さて、春は値上げの季節でもあります。
食料品や公共料金など、様々な品目で値段が上がることが多くて悩みどころですよね。

ガス料金については、以前から値上げが続いていました。

ガスの原料価格高騰が背景にありますが、実は、
今、世界を揺るがせている「ロシアのウクライナ侵攻」により、さらにガス代が上がる可能性があるのです。

戦争とガス料金に、どんな関係があるの?と疑問に思いますよね。
今回のブログでは、ロシアのウクライナ侵攻と、日本のガス料金値上げの関係について解説します。

日本の50%の家庭で使用されている都市ガス

都市部を中心に広く普及しているのが都市ガスです。
地中にガス管を通し、家の中に分岐させ、ガスを使う方法ですね。
※都市ガスが通っていない地域では、プロパンガスを使用します。

日本では、全家庭の50%が都市ガスを使用して暮らしています。

都市ガスの原料は天然ガス(LNG)です。
世界の天然ガス埋蔵量は莫大ですが、日本では採掘量が安定しないため、そのほとんどを輸入に頼っています。


(このような巨大タンカーに天然ガスを入れ、輸入しています)

輸入に依存しているため、世界経済の動きに合わせて天然ガスの値段が上下すると、私たちが支払うガス料金にも影響が出てくるのです。
直近の出来事でいうと、コロナ禍を経て世界経済が回復傾向になると、ガス需要が増え、天然ガスや輸送コストが上昇し、ガス料金が値上げされました。

天然ガス(LNG)の1割はロシアから輸入

ロシアの天然ガス埋蔵量は世界最大であり、世界の天然ガス埋蔵量の24%はロシアにあるとされています。
ロシアにとって、天然ガスは貴重な輸出品ということですね。

天然ガスを輸入に依存している日本ですが、その輸入量の9%、およそ1割をロシア産ガスが占めています。
ウクライナ侵攻を推し進めるロシアに対して、各国が経済制裁等の強い規制を行う中、ロシアも対抗措置を講じています。
その一環として、ロシアは天然ガスの購入にロシア通貨(ルーブル)を使うよう要求してきていますし、
今後は天然ガスの供給停止など、強い姿勢に出てくる可能性もあるのです。

ロシア産天然ガスがなくなる!?ガス料金や電気代まで値上げの危機…

ロシアからの天然ガス供給がストップ、もしくは少なくなった場合どうなるかというと、他の国の天然ガスを輸入することになります。
しかし、ロシア以外の国から天然ガスを買いたいのは日本だけではありません。
ロシア以外の国に天然ガスの需要が集中すると、天然ガス価格の上昇や、供給の不安定化が予想されます。
そして、天然ガスの確保が難しくなればなるほど、ガス料金の値上げという形に繋がってしまうのです。

また、不安なのはガス料金の値上げだけではありません。
天然ガスは発電にも使用されているため、電気代にも影響が出てくる可能性があります。

例えば、電気代の値上げや、
真夏など電力需要が大きくなる時期には電力供給が追いつかず停電…なども考えられます。
ロシアのウクライナ侵攻が、思わぬ形で私たちの生活に影響を及ぼすのですね。

サハリン1・サハリン2は事業継続の判断

日本にとって、ロシアからの資源輸入は大きな生命線ということが伝わったかと思います。

そんな中、アメリカやイギリスの大手企業は、ロシアにおけるエネルギー事業から続々撤退。
日本の動向も注目されていました。

特に、日本企業も大きな投資を行ってきた「サハリン1」「サハリン2」プロジェクトは、
日本への原油・ガス輸出の生産拠点となっている場所です。

日本政府は、ロシアに対する経済制裁を行う一方、「サハリン1」「サハリン2」からの撤退は見送りました。
サハリンプロジェクトから撤退し、ガスや原油の輸入を他国にスイッチするコスト、輸入量の確保を考えたとき、
撤退は現実的な選択ではないという判断だったのでしょう。

ロシアとの関係は繊細な駆け引きが必要ということですね。

まとめ

新型コロナウイルスで世界が大混乱したあと、ロシアのウクライナ侵攻が始まって、落ち着かない日々が続いています。
私たちの家計にもダイレクトに影響が出始め、気が滅入ってしまうことも多いでしょう。
様々な国との貿易・経済協力により成り立っている日本。
今のような緊迫した状況が、少しでも早く解消されることを願ってやみません。

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