「節ガス」の夏が来た?経産省が都市ガス使用者に「節ガス」要請を検討

暑い夏が今年もやってきました。
例年に比べ梅雨が短かったこともあり、猛暑期間が長くなるのでは?とヒヤヒヤしますよね。

さて、エアコンの稼働が増える夏の定番といえば「節電」ですが、今年は「節ガス」も大切になってくるとご存知でしたか?
「節ガス」…つまりガスの使用量を減らそう(ガスの節約)という呼びかけです。
今回のブログでは、「節ガス」とは何か、どうして今年になって急にガスの節約がクローズアップされることになったのか、
分かりやすく解説したいと思います。

「節ガス」要請とは?

2022年、経済産業省と有識者が中心となり議論が進んでいるのが「節ガス」要請です。
読んで字のごとく、ガスを節約するという意味の「節ガス」。
スローガン的な努力目標かな?と思われるかもしれませんが、
ガスの使用量がひっ迫した場合、ガスの使用を強制的に制限することも選択肢に入っているというから驚きです。

「節ガス」呼びかけに至った経緯

電気の節約はよく聞くけれど、どうしてガスも節約しなくてはいけないの?という素朴な疑問が湧きます。
これは、今まさに世界を震撼させているロシアによるウクライナ侵攻が原因なのです。

日本は、ガスの原料となるLNG(液化天然ガス)のほとんどを輸入に頼っています。


(LNGを運ぶ専用のタンカー船です)

世界のLNGの物流に目を向けてみると、世界のLNG輸入量の7割はアジア各国が占めており、
なかでも日本は世界のLNG輸入量の約2割を占める、世界最大のLNG輸入国!
LNGが安定的に輸入できないことは、そのまま日本のガス不足につながっているのです。

日本がLNGを輸入している国はオーストラリア、マレーシア、カタールなどですが、一部ロシアからも輸入しています。
2019年度の実績によると、日本が輸入したLNGの総量が7,650万トンで、そのうち631万トンがロシア産LNGです。
10%弱がロシア産LNGということになりますね。

ロシアによるウクライナ侵攻は日本のみならず多くの国のエネルギー事情に影響を与えています。
経済制裁の一環として、

・ロシアからのエネルギー輸入を減らし、他国からの輸入に切り替える
・ロシアからの対抗策で、輸入コストが増大する

こうした事態が次々と起こり、大きな方向転換を迫られる中で、
欧米各国や日本はガスエネルギーのあり方、そして当面の安定的なガス供給への対策が必要になっているのです。

こうした背景があって、「節ガス」は、LNGを安定的に確保できないときのためのリスクヘッジとして生まれました。

「節ガス」で私たちの暮らしはどう変わる?

節ガスの要請は、段階的に行われていく予定です。

●自主的なガス節約の呼びかけ

●数値目標を伴う節ガス要請

●危機的状況では、ガスの使用量が多い製造業や大規模な商業施設などを対象に、使用を強制的に制限する

こうして段々と強制力を強めていく方法で、ガスの使用量を減らすのが目標です。
一般家庭に影響があるのは、2つ目の「数値目標を伴う節ガス要請」です。
電気の場合、電気の供給が間に合わない際に「計画停電」などの対策が採られます。
節ガスにおいても、計画停電ならぬ計画停ガスが実施されるかもしれません。
(※ガスは、電気のように使用制限を執行できる法整備がなされていないため、今後急ピッチで法整備が進む可能性があります)

ただし、こうした強制的な対策はなるべくなら避けたいところですよね。
そうなるとやはり、自主的な節ガスが第一の対策と言えます。

「節ガス」の本番は冬!

さて、節ガス論争が盛り上がっているのは今=夏ですが、実はガスの使用量が一番増えるのは冬です。電気と反対ですね。
冬になると、お湯の使用量・暖房機器の使用率が急激アップすることから、ガスの需要も一気に増えます。
つまり、節ガスの本番は冬ということです。

国にとっては、ロシアによるウクライナ侵攻の行方が不透明な中、
ガス使用量が増える冬を前に、節ガス議論をある程度深め、法整備するための期間を確保しなくてはならないのですね。

ただし、冬になっていきなり「節ガスにご協力を」と言っても国民生活はついていきません。
まだ暑い今から少しずつ認知を広めることで、冬の節ガスへの意識を高めておきたいところです。

まとめ

メディアでは「ロシアへの経済制裁と対抗策」「サハリン2計画」など、エネルギーに関する話題も度々登場します。
こうしたニュースは、私たちの生活にも密接に関わっていることを肝に銘じておかなくてはいけませんね。
寒さが本格化する前に、今一度ガスの使用状況を見直し、家庭でできる節ガス対策を考えてみましょう。

・電気で代替できる家電を導入する(電気ケトルやIHヒーターなど、電化製品を併用する)
・お湯の設定温度を、無駄に高く設定しない
・家族でお風呂に入るタイミングを合わせる

など、「チリも積もれば」な生活の知恵を実践することで、ガスのロスを防いでいくことができます。
まずは家庭から、節ガス生活を始めていきましょう(^^)

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